一王山レンジ 花鳥草木図鑑
2011年7月30日(土) 08:07 JST
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レンジ入り口、山手に向かって左側に、夏になるとわさわさと自生し、
グイグイと枝を伸ばして紫の花をさかせているのは房藤空木(ふさふじうつぎ)です。
よく見るとレンジに上がるまでの間に、あちらこちらに花を咲かせているのがわかります。
フジウツギ属フジウツギ科の植物。花が美しいので園芸用に栽培され、
属名からブッドレア(ブッドレヤ)と呼ばれることが多いそうです。世界に約100種あり、
ほとんどは常緑または落葉性の低木ですが、一部に高さ30mに及ぶ高木や、草本もあります。
ヨーロッパ・オーストラリアを除く温帯・熱帯に分布し、多くは芳香があり、また蜜が多いので
よく蝶が吸蜜に訪れます。サポニンを多く含むので毒性ありです。皮膚の弱い方はご注意を。
葉は長さ1-30cmで細長く、ほとんどは対生。花は長さ1cmほどの筒状で、花びらの先が4裂し、
長さ10-50cmの密な円錐花序となっています。
“Buddleya”はイギリスの牧師 Adam Buddle氏(1660~1715)に因むものだそうです。
A.M.コーツの「花の西洋史」によると,このバッドル氏はアマチュアの植物研究家で,
聖職の傍らコケの研究をし,またイギリス産の膨大な植物標本を作り,
当時の新しいシステムにより分類し,大英博物館に寄贈しました。
これは後世の植物学者に非常に役立ったそうです。
この季節、ご近所の方がレンジに入ってこられて、
「お花を少し頂いてもよろしいですか・・」と問われるのはたいていこの花のことです